イギリス的なものを愛している!そう確定したのは、今日の夕礼拝だった。古本屋でアーレントを買ったのだが、少し読んでみると論理ないし理屈に怖気付き、またあの無理からぬ普遍世界論理か、と異臭がした。ドイツ的なものはどうして無理を言うのか、と考えていたら、やはり私が日本から出たことがないという面もあろうと思った。つまり、大陸に接していないから、ドイツ的なものに現実味がないと感じるのだ、いくら読んでも。
私にはイギリス的なものが合う。ちょうど信仰と興味の配合が、壮年期に入る私の卒塔婆心に適合する。これからしばらく楽しませてもらいたい、その著者は、アダムスミスとヒュームとロックである。この三巨頭で十年はいける。それぞれまだ一割も読めていないが、今の私に面白いことはわかっている。
イギリスは島国であるだけでなく、緯度が日本より寒い位置にある。カナダ的なグールドより、アンドラーシュシフが圧倒的に好きなのは、エルガーの快活さが骨身から出ているからだ。栄光の国!希望と自由!神を讃え満ち溢れる!と高らかに歌う国に、憧れはある。食事は粗末と言われるが、私も最近は質素になった。東南アジア的な豆種系の食事だ。
教養の有無で、紳士か庶民か階級が決まってしまうという国だと聞く。その分水嶺であるアダムスミス、ヒューム、ホッブズ、ロック、ベンサム、ニュートンを、これから読み砕いていきたい。近代の起源であり、聖書を基に据えているので、読み応えがあり読み甲斐もあると思う。押さえ所であるから、買う本が減って節約になるという心も擽られる。別件、踵底の擦り減ったクラークスのワラビーを、修理することに決めた。二万円近くするが、私の英国愛を示す初めての行動となる。
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